世界文化遺産に登録された韮山反射炉に行ってきました。(前半)ではガイダンスセンターで歴史的な背景や技術的な知識をゲット。(後半)のこの記事では、実際に外に出て、韮山反射炉をご紹介します。
交通アクセスなどは、下記の前半の記事をご参照ください。
【世界遺産】明治日本の産業革命の遺産、伊豆の韮山反射炉に行ってきた(前半)
幕末の近代製鉄への挑戦、韮山反射炉を見に行く
反射炉とご対面
ガイダンスセンターを出るとすぐ、韮山反射炉です。レンガと鉄骨の補強材の組み合わせがカッコイイ。
横長でこんな感じ。やっぱりレンガつくりはいい。宇津ノ谷峠の明治トンネルもよかった。

ここからはガイドさんが付いてくれて、反射炉の詳細を説明して頂きました。このガイドさん、めちゃくちゃ説明が熱い!伝えたい感が凄い。やっぱりガイドは熱い方がいい。


自分が知りたかったことは、2つ。1つめ。なぜ"反射"炉なのか。これは熱・炎を反射させる構造だから。炉内で発生させた熱・炎を炉内の天井で反射し、一点に集中させることで、銑鉄を溶かすことが可能な千数百度の高温を実現する構造で、そこから反射炉と呼ばれるそうです。

2つめ。これらの技術の入手方法。鎖国中でありながら、しかも製鉄+大砲という機密性の高い情報をどうやって仕入れたのか。これは、オランダから技術本を購入したそうです。で、凄いのがここから。この技術本だけで、見よう見まねで反射炉も大砲も作っちゃったてのが驚き。

学生の頃、猫でもわかるC言語って技術本を読んで、つまずいて、自分って猫以下なんだなぁ、て挫折した自分とは大違いですわ。江川氏凄い。

反射炉を上から眺める、茶葉と富士山も望める展望台へ
反射炉を抜けるとお土産屋さんが入っている建物の方に行きます。その近くにちょっとした展望台があり、登った先には茶畑が広がっています。ザ静岡。お茶の匂いはしないです。

ちょっと強引ですが、富士山と反射炉と茶畑をセットでパシャリ。

韮山反射炉の生みの親、江川英龍。日本を列強諸国の植民地にしないよう、先手を打って情報収集し、資材・人材を確保し、実現可能なプランを描き、実行する。同時に人材育成にも注力する。産業化の礎を切り開いた江川氏は凄いの一言。


お土産も買って帰路へ
反射炉は規模は大きくないのですが、情報量が濃密でした。ガイドさんの説明も楽しんだら、物産館でお買い物して帰宅します。

まとめ
明治日本の産業革命の遺産、伊豆の韮山反射炉に行ってきました。そこには、日本を列強諸国の植民地にさせないという強い思いから、鎖国中という境遇を跳ね除け、不可能に挑戦した先人達がいました。反射炉も大砲も不必要に戦争を仕掛けるためのものではなく、日本に進出してこようとする諸外国と対等な立場で交渉するための具体案だったのでしょう。国を守り、産業経済の基盤を、技術立国日本の礎を築いた先人に、敬意を表し反射炉を後にしました。
こんな方におすすめ
・伊豆に来られたは是非。世界文化遺産に登録されているだけのことはあります。
・エンジニアの方。先人のものづくりの熱い想いを感じることができます。
